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農地を再び 厚木の農業が危ない(1)

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神奈川県厚木市

古くから市の産業を支え、私たちの生活にも身近な農業が今、一部の地域で「耕作放棄地」が目立ち始めるなど、大きな危機を迎えようとしている。今回の特集では、そんな厚木の農業の現状と、これからに迫る。

◆農業が抱える問題
全国的な問題となっている高齢化の進展と人口減少の波は、農業従事者の高齢化と後継者不足を一層加速させた。結果、農地でありながら活用されない土地が増え、周囲に影響を及ぼしている。

近年、消費者の食の安心・安全への意識や健康志向の高まりにより、生産者の顔が見える地元食材が大型スーパーにも並ぶなど、注目を浴びている。一方で生産者である農家は、高齢化や人口減少の進行により、担い手不足などで衰退の一途をたどっている。平成17年に市内で1995戸だった農家の数は、この10年間で約400戸も減少。手入れされずに荒れてしまう耕作放棄地が発生する原因となっている。

◯農家の約7割が後継者不足
市内で農家が減り続ける中、次の世代に農業を引き継ぐことは大きな課題だ。しかし、本市の農業従事者の平均年齢は68歳を超え、後継者問題を抱える農家が少なくない。25年から28年に市が実施した「人・農地プランにかかるアンケート」(下欄参照)では、約7割が「後継者がいない」と答えている。
「特に山や谷間が広がる中山間地帯に農地が多くある地域は後継者不足が顕著。一つ一つの面積が狭く、作業の機械化が難しいばかりか、近年ではイノシシやシカ、サルといった有害鳥獣の被害もあり、農業離れが進んでいる」。農業委員会の会長を務める堀池春夫さん(63・岡田)は、そう訴える。
これらが原因で、農作業や農地の管理が難しくなることに加えて、農地の売買が法律で厳しく制限されていることから、耕作放棄地が発生している。

◯耕作放棄地に潜む危険性
耕作放棄地は、害虫・雑草の発生原因、有害鳥獣のすみかになるなど、近隣農地にも大きな被害をもたらす。また、ごみの不法投棄といった、環境や治安の悪化にもつながる可能性があり、まち全体に悪影響を及ぼしかねない。
近年市では、対策として、JAあつぎや市農業委員会と都市農業支援センターを開設。新規就農者の支援や、所有者が異なる放棄された農地を集め、意欲のある農家に一つの農地として貸し出す「農地の集約」などを進めている。
現在は対策が功を奏し、耕作放棄地の増加を食い止めている。しかし堀池さんは「人口が減り続けて高齢化が進み、後継者不足がより深刻になれば、近い将来に市の農業は危機的状況を迎えるかもしれない」と警鐘を鳴らす。人口減少が進む中、農業を守るために今、考え始めなければならない。

◯なぜできる?耕作放棄地
耕作放棄地は農業従事者の高齢化や後継者不足などが主な原因で発生します。発生すると、公衆衛生の問題など、私たちの日常生活にも影響を及ぼします。

◯5~10年後の集落・地域の農業の問題の有無

◯問題の内容(複数回答可)

◯未来の地域農業の担い手

(人・農地プランにかかるアンケート平成25~28年実施・回答者数1230人)

問合せ:農業政策課 【電話】2252800

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル