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特集 安心・安全を次の10年へ1

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神奈川県厚木市

つながるSC(セーフコミュニティ)

セーフコミュニティ(SC)は、市と市民が協働で安心・安全なまちをつくる取り組みです。活動を始めて10年が経ち、市内では体感治安の改善や事故件数の減少などの成果が現れています。今年11月には、これまでの成果を世界に発信する国際会議を市内で開催します。自分たちの力で、安心して安全に暮らせるまちにしたいという皆さんの思いが、未来へとつながっています。

2001年、市内の犯罪件数は7163件に達していました。地道な見回り活動などで徐々に減っていったものの「厚木は治安が悪い」というイメージは、簡単には拭えませんでした。皆さんの不安を減らし、安心して暮らせるまちをつくるため、市は2008年、市民協働で安心・安全なまちづくりを進めるSCへの取り組みを開始。パトロールなど市民の皆さんの自発的な活動が市全体へ浸透し、2010年には国内で3番目となる国際認証を取得しました。
活動時に着るオレンジ色のベストは、安心・安全の象徴として市民の皆さんに親しまれています。市内では、今も各地で活発な活動が続いています。

■防犯パトロールで駅前の治安が改善
「今日はこっちを回ろう」「防犯灯、切れていないか」―。十数人のメンバーがのぼり旗や誘導灯を持ち、本厚木駅前のにぎやかな通りを歩きます。「長く街の様子を見てきたけれど、昔に比べて客引きが減るなど、雰囲気が良くなったね」。西仲自治会の小池敏夫さん(77・田村町)は、10年以上パトロールを続けている一人です。自治会では、犯罪件数が特に多かった本厚木駅周辺を気持ち良く歩ける環境にするため、市がSCに取り組む前から、自主的に見回りを続けています。今も月に2回のパトロールは欠かしません。
地道な活動が実を結び、本厚木駅周辺での刑法犯の認知件数は10年間で半分ほどにまで減少。小池さんたちは、みんなで続けてきた取り組みが成果につながっていることを喜ぶ一方「ほとんど旧知のメンバーで続けているけれど、新しい人に活動に加わってもらうのが本当に難しい」と将来を気に掛けています。自治会では、若い世代に活動に関心を持ってもらうきっかけをつくるため、祭りや運動会など地域のイベントを通じた交流にも力を入れています。
井上竜治さん(40・田村町)は、祭りをきっかけにパトロール活動の一員になりました。会に所属する知人に誘われ、3年前から地域行事を手伝い始め、次第にパトロールにも参加するようになりました。井上さんは「誘われて始めたけれど、活動を通じてできた人との縁は大切にしたい。今では当たり前の習慣として続けている。他の皆さんも、無理のない範囲でやっているから継続できているんだと思う」と話します。楽しい催しをきっかけに自分のまちを守る気持ちが生まれたという井上さん。地域の絆が、安心・安全なまちづくりの活動につながっています。

■学校・地域・保護者の連携で子どもを守る
「ただいま」。学校帰りの子どもたちが、登下校を見守る皆さんの下へ元気に駆け寄ります。「おかえり。学校はどうだった」「車が通るよ。気を付けて帰ってね」。三家南自治会長の石井勝巳さん(79・妻田東)は、会員の皆さんと一緒に、温かい笑顔で子どもたちを迎えます。
石井さんは、自治会やPTA、学校などのメンバーでつくる「すこやかネットワーク会議」の議長も務めています。会議は、地区内にある清水小・妻田小・睦合東中学校の子どもたちの安全を地域ぐるみで守るため、2014年に発足。定期的に情報交換しながら、見守りや危険な場所の確認などをしています。
3校は、児童・生徒が自ら安心・安全な教育環境をつくるインターナショナルセーフスクール(ISS)に取り組んでいます。2015年に国際認証を取得した睦合東中学校の木村克己校長は「昼間に災害が起きたら、地域にいる可能性が高いのはお年寄りと小・中学生。生徒には、自分が小さな子どもや高齢者を助ける側になることを意識してもらいたい」と力を込めます。
生徒たちは、地域に出て草刈りなどの活動を手伝う他、3年前からは自治会の防災訓練にも積極的に参加しています。訓練に参加していた生徒の澁谷穂波さん(1年)は「訓練では、自治会の皆さんが放水のやり方や三角巾の使い方を優しく教えてくれて、親しみを感じるようになった。登下校の時なども、よく声を掛けてくれる」とはにかみます。
石井さんは「今私たちが見守っている小・中学生も、将来は地域の担い手の一員として育ってくれたらうれしいね」と目を細めます。

■地域の絆が安心・安全をつくる
市内全域で、地域の実情に合わせた安心・安全への取り組みが続いています。見回りを長く続ける西仲自治会の小池さんと、子どもを守る活動に力を入れる石井さん。二人とも「近所同士、顔見知りになることが安心・安全につながる」と口をそろえます。声を上げやすく手を貸しやすい地域であるためには、普段から気軽にあいさつし合える関係づくりが欠かせません。
10年前に始まり、市全体へ広がったSC。今では地域の皆さんの日常に溶け込み、住民同士の絆を育んで、安心・安全な生活を支えています。暮らしを守る習慣は人から人へとつながり、着実に未来へと受け継がれています。

問合せ:セーフコミュニティくらし安全課
【電話】225-2865

〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-21-11 山竹ビル