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広報あつぎ 第1294号(平成31年1月1日発行)

厚木から羽ばたく熱気人(1)

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神奈川県厚木市

厚木の地で育まれ、自分の好きな道、信じた道を確かに歩み続ける「熱気人(あつぎびと)」たち。
進む道は違えど、何かにひたむきに打ち込むその姿は、多くの人に熱い気持ちを呼び起こさせる。

問合せ:広報課
【電話】225-2040

■飛躍を胸に大空を舞う スノーボード・ビッグエア世界ランキング1位 大塚健さん
▽プロフィル
高校2年生、飯山小・小鮎中学校出身。バートン・スノーボードに所属。全日本スキー連盟が指定する強化選手の一人。2018年の「XGAMES」や「FISワールドカップ」で優勝。

市街地一望するジャンプ台を勢いよく滑降し、大空を舞う。着地まで、わずか数秒。次々と体を回転させ、技を繰り出していく。大塚健さんは、世界で活躍するスノーボード選手だ。
昨年5月、ノルウェーで開かれた世界最高峰の大会「XGAMES(エックスゲームス)」。スノーボード・ビッグエアに初出場した大塚さんは、平昌(ピョンチャン)五輪金メダリストなど世界の強豪を抑え、憧れの舞台で世界一の栄冠をつかんだ。
大塚さんが競技を始めたのは、7歳の時。「技が決まった時の気持ち良い感覚が楽しい」と、どんどん競技にのめりこみ、頭角を現していった。
その名が世界に知れ渡ったのは、昨年3月の「バートン・USオープン」。多くの選手が大塚さんの堂々としたプレーを称賛した。「自分のやってきたことが世界で通用する。そう思ったら何かが吹っ切れた」。この日を境に、数々の試合で力を発揮し、世界一まで一気に駆け上がった。
「けがやスランプもあったけど、苦労や挫折と感じたことは一度もない。前を向かなきゃ強くなれないから」と一点の曇りもない表情で語る大塚さん。さらなる飛躍を胸に、今年も世界で躍動する。

■ラジコンドライバー 石井亮さん
▽プロフィル
高校1年生、鳶尾在住。Weld(ウェルド)の「チームウエルド」所属。昨年9月にオランダで開催されたラジコンドリフト世界選手権「D1-10World Championship」で最年少優勝。この他、多くの全国大会や世界大会で上位入賞している。

車体から目を離すことなく巧みにリモコンを操り、タイヤを横滑りさせながらコーナーを曲がっていく。華麗なドリフトを見せる石井亮さんは、自ら組み立て・整備した愛車を片手に世界を駆けるラジコンドリフトドライバーだ。昨年9月、オランダで開催された世界選手権で、世界各国から集まった約300人の猛者を相手に史上最年少優勝を果たした。
石井さんは4歳の頃、車好きの父に勧められてラジコンを始めた。5歳で初めてキッズクラスの大会に出場し優勝。「その時の快感だけは今もよく覚えている」。石井さんは、ラジコンにどんどん魅了されていった。
ラジコンの師匠は、競技を始めるきっかけにもなった父・功さん。休みの日には共にコースに出掛け、練習に明け暮れた。「父の指導はとても厳しく、何度もやめようと思った」。実際に中学生の頃に一度ラジコンから距離を置いたが、頭の片隅にはいつもラジコンの存在があった。気付けばサーキットに戻っている自分がいた。「今まで支えてくれた父には本当に感謝している。おかげでもうラジコンから離れられない」と、少し照れた顔に父親への感謝とラジコンへの愛情をにじませる。
石井さんが得意とするのは、前を走る車を追い掛け、動きをシンクロさせる追走だ。オランダ大会の決勝では、相手にぴったりと張り付くドリフトで会場を沸かせた。「海外遠征に行き始めた頃は『勝たなきゃ』というプレッシャーが大きく、満足いく走りができなかった」という石井さん。今はとにかく自分の走りを楽しもうと大会に臨んでいる。緊張の原因だった観客の歓声も力に変えられるようになった。
日本ではまだマイナーなラジコンドリフト。「目の前の大会一つ一つを大切にしながら、日本のファンを増やしたい」。石井さんの目は、次のステージへと向いている。

■厚木北高校野球部
▽プロフィル
1978年創部。現在1・2年生41人が所属し、学校敷地内のグラウンドなどで練習を重ねる。昨年の神奈川県高校野球の秋季県大会では、2試合連続の延長戦を勝ち抜き4強入りを果たした。

夕日が大山に顔を隠すと、グラウンドに照明がともった。辺りには、球児たちの掛け声と鋭い打球音が響いていた。「秋季県大会ベスト4の結果は野球の神様からのプレゼント。みんな素直でよく練習するからね。この経験を次に生かしていかなければ」。4年前からチームを率いる加賀谷実(かがやまこと)監督(58)は、白い息を吐きながも温かい視線を送っていた。
強豪ひしめく神奈川県の高校野球界。昨年9・10月の秋季大会で、厚木北高校が快進撃を見せた。3年生が引退し新チームで臨んだ大会で、公立高校では唯一のベスト4入り。準決勝で敗れ関東大会への切符は逃したものの、春・夏の大会に向けてチームは代え難い経験を得た。秋季大会に出場したメンバーは皆、夏季大会までは補欠だった。危機感を持ってスタートした新チーム。これまでよりミーティングの回数を増やし、強くなるためには何をするべきか話し合った。練習中でも選手同士で声を掛け、改善点を指摘した。「自分たちの強みはチーム力。みんなでつないで勝つ」。エースで主将を務める奈良竜王介(りゅうのすけ)さん(17)はそう言い切る。加賀谷監督らスタッフも、選手41人が毎日書いてくる練習日誌に目を通し「努力の方向性を示してあげたい」と、アドバイスを書き込み返している。
チームが次に見据えるのは3月の春季県大会。「厚木から甲子園へ」―。チームが掲げる目標に向かい、選手たちは日々白球を追い続けている。

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