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広報あつぎ 第1312号(2019年10月1日発行)

人の数だけ「魅力」がある 魅力を見つけ伝える人の力(1)

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神奈川県厚木市

日々まちの情報や輝く人の姿を追い、厚木の魅力を発信する人たちがいます。ラジオや冊子、テレビやインターネットなど、さまざまな媒体で情報を伝える人々の姿から、一人一人の身近にあるまちの魅力を再発見します。

■聴き手に寄り添い思いを届ける
ラジオパーソナリティー すずきちほさん(44)
「こんにちは。金曜日のこの時間は厚木市の情報をお届けします」―。午後1時、心地の良い声がラジオから流れてきます。声の主は県央地域で聴けるラジオ局「FMカオン」で厚木の情報を担当するパーソナリティー・すずきちほさんです。
すずきさんがパーソナリティーを始めたのは昨年7月のこと。音楽イベントで一緒に働いていたFMカオンの局長・天野哲也さん(45)に勧められたことがきっかけでした。天野さんは「彼女の長所は何にでも興味を持って、ぐいぐい進んでいくところ。イベントから店舗、交通、災害までさまざまな情報を扱うパーソナリティーにぴったりだと思った」とすずきさんをスカウトした当時を振り返ります。
ラジオには決まった台本がありません。放送日までに届いたお知らせや放送中にリアルタイムで入る情報の中から、瞬時にどれを伝えるか決め、頭の中で話し言葉に変えて電波に乗せます。元々イベントや舞台でしゃべることを仕事にし、話すことには自信があったすずきさんですが「初めの頃は時間配分や瞬時の対応にてこずり、情報をきちんと伝えきれなかった」と苦い表情を浮かべます。
厚木の情報を多くの人に届けるすずきさんですが、生まれも育ちも厚木ではありません。「厚木といえばインターチェンジの印象が強かったけれど、個性的なお店はたくさんあるし、自然も豊かで伸び伸び遊べる場所もある。とても奥が深くて面白いまちで興味が尽きない」とすずきさん。ゲストで訪れる市民の皆さんのまちへの熱い思いも、厚木の大きな魅力の一つだと感じています。
パーソナリティーになって1年。「ラジオは紙面やテレビとは違い、友達とおしゃべりするような感覚で情報を伝えられるのが一番の利点。これからもリスナーに寄り添い、まちの魅力や市民の皆さんの思いを伝えたい」と意気込むすずきさん。明るく親しみやすい声で、厚木の魅力を届けます。

■体験の共有で暮らしを潤す
編集・ライター 小川真奈さん(30)
「まなてぃーさんと話せて楽しかったです」。取材を受け終えた美容師の笑顔の先には、ベレー帽がトレードマークのまなてぃーこと、小川真奈さん。厚木と海老名のグルメやお出掛け情報などを発信する冊子「noma(ノマ)」のライターです。
小川さんは2年前、デザイン関係の仕事をしたいと思い入社。元々絵を描くことが好きで、自分で物を作る楽しさに憧れていました。市外在住で厚木の土地勘は全くなかった小川さん。「散歩でもしてみたら」と上司に勧められ、市内のお店などを巡るようになりました。
散歩のときは、直感で気になった場所に約束なしで来店。客として食事や観光を楽しんだ後、退席するときに記事にしても良いか声を掛けます。散歩を始めたばかりの頃を小川さんは「街のいろいろな顔を知れたし、皆さんが受け入れてくれて、つながりができるのがうれしかった」と振り返ります。
小川さんは記事を書くとき、適度に自分の考えを盛り込むよう心掛けています。「私自身がnomaのターゲット層。体験談として、着飾らず、感じたことをあるがままに伝えている」と話します。親近感のある記事が話題になり、ウェブや冊子、SNSで記事を書く「中(なか)の人」としてファンが増えていきました。
nomaでは小川さんの他にも、たくさんのライターが記事を手掛けています。市民や市内で働く人などが楽しいと感じたことを、友達同士で教え合う感覚で書かれた記事には、地元愛があふれています。小川さんは「みんなの『良いな』と思う感覚を大切に、体験を共有していけたら」と笑みをこぼします。
今後は、厚木と海老名の店舗を集めたイベントを開催するなど、市外へのPR活動にも力を入れていくという小川さん。今日もお気に入りのベレー帽をかぶって、まちの魅力を探しに出掛けます。

■住民の表情がまちの魅力
テレビカメラマン 肥後直樹さん(31)
残暑が厳しい夏の終わりの夕刻。地域住民でにぎわう夏祭りの会場に、市内のケーブルテレビ局「あゆチャンネル」のカメラマン・肥後直樹さんの姿がありました。大きなビデオカメラを担いで駆け回り、おいしそうに綿あめを頬張る子どもにレンズを向けます。
小さい頃から映画やテレビを見るのが好きで、映像制作に憧れていた肥後さん。大学を卒業後、ケーブルテレビ局に入社し、6年前から地域の情報を伝える番組を担当しています。台本の作成をはじめ、取材、撮影、編集を全て一人で担っています。
初めは、何を取り上げていいか分からないまま番組を作っていたという肥後さん。取材を重ねるうち、ファインダー越しに見える地域の人々の、生き生きとした表情に引かれていきました。「小さくても温かいまちの話題や住民の表情に焦点を当てよう」。それから、より地域に根差した番組を作るため、視聴者からの情報提供を大切にするようになりました。
特に心に残っているのは、視聴者から「近所の道路側溝から猫の声がする」と連絡があった時の出来事です。急いで現地に駆け付けると、側溝に落ちた子猫を近くで工事をしていた作業員が助ける場面を撮影できました。「猫が救出された時の近所の人たちの安堵(あんど)と喜びに満ちた表情は今も忘れられない。地域住民の情報提供からこんな場面を撮影できてうれしかった」と肥後さんは目を細めます。
「市内で日々起きていることや住民の日常の表情を伝えたい。そして番組を見た皆さんに地域への愛着を持ってもらえたらうれしい」と真っすぐな瞳で話す肥後さん。今日も市内のどこかでカメラを担ぎ、住民の表情を捉えています。

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