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広報あつぎ 第1322号(2020年3月1日発行)

設立40周年厚木市ジュニアリーダーズクラブ 地域を支える若きリーダーたち(1)

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神奈川県厚木市

市内には、子どもたちの先頭に立ち地域活動を支えるジュニアリーダー(ジュニア)がいます(下欄参照)。活動を通して、子どもから大人まで幅広い世代と関わり成長するジュニアの姿から、40年受け継がれてきた思いや活動の軌跡を紹介します。

■厚木市ジュニアリーダーズクラブって?
市内の中学1年〜高校2年生からなる団体で、現在は180人が所属している。

■ジュニアリーダー(ジュニア)の役割
自主性を大切にする子ども会活動で、「大人と子どもの架け橋」として子どもたちの気持ちを代弁する役割を担う。

子ども:こんなイベントをやりたい、大人にどうやって説明したら伝わるのか分からない
ジュニアリーダー:大人の意見を子ども目線で要約、改善点を一緒に考え、子どもだけでは難しいことを一緒にやる

大人:つい手伝いすぎてしまう、子どものやる気を損なわないよう大人の意見も伝えたい
ジュニアリーダー:子どもの希望を具体的に説明、大人の力が必要なことは協力を仰ぐ

■ジュニアの主な活動
(1)地域活動のお手伝い
地域の子ども会や自治会が実施する催しで、企画や運営を補助

(2)市主催行事のお手伝い
成人式や国際大道芸など、市が開催する催しで、スタッフとして補助

(3)自主事業の開催
地域の交流を深めるため、地域住民が参加できるイベントを自ら企画し運営

(4)研修会の開催
ジュニアの交流と技術向上のため、年に数回開催。高校生以上のジュニアが後輩を指導

「見て。できた!」「やったね。上手だよ」。小鮎公民館の体育館に、子どもたちの弾んだ声が響きます。地域の小学生を集めた交流会の会場。子ども一人一人に気を配りながら、会を進行する後輩をさりげなくサポートするのは、小鮎地区ジュニアの会長・川瀬泰雅(たいが)さん(17・宮の里)です。市内の全ジュニアをまとめる連絡協議会の会長も務めています。

■恥かくことは成長の第一歩
「今では堂々としている川瀬さんも、もともとはおとなしい子だった」。ジュニアの活動をサポートする市青少年指導員の川田房江さん(64・飯山)は、そう振り返ります。小学生の頃、子ども会活動で見たジュニアの姿に憧れ入会した川瀬さんですが、初めは恥ずかしさで先輩ジュニアのように堂々と振る舞えませんでした。「先輩のようにできない悔しさと、部活との両立が難しく感じてきたこともあり、辞めようか悩んだこともある」。当時の川瀬さんにとっては、子どもに話し掛けるのも、人前でゲームをするのも、周りに促されてやっとの思いでした。
ある日、妹が参加していた子ども会のイベントでのこと。一緒に来ていた母親の前でゲームを行い、子どもたちを楽しませました。帰宅後、母親から「いつの間に人前であんなに堂々とできるようになったの。すごいね」と声を掛けられた川瀬さん。「照れくさい反面、自分が少しずつ変われているという自信を持てた」とはにかみます。そばで見守ってきた川田さんは「今では地域のイベントに呼ばれるとき、『川瀬さんは来てくれますか』と声を掛けられることもある。子どもや後輩たちの面倒見も良くて、すっかり頼れるお兄さんになった」と目を細めます。
高校入学後は、ジュニアの活動に打ち込むため、部活には入らず、後輩の指導に当たるカウンセラーになりました。研修会で初めに教えるのは、「汗かく・恥かく・企画」というジュニアの活動の三原則です。中でも力を込めるのが「恥かく」こと。中学生の頃、積極的になれなかった経験から、まずは自分が率先して前に出る姿勢を見せるよう心掛けています。「失敗は恥ずかしいことじゃない。堂々とやれば、相手は真剣に応えてくれる」。川瀬さんは、後輩を育てる立場になって、失敗を恐れずに取り組む大切さをより強く感じました。

■信頼できる仲間が財産
昨年の3月、自分たちの代から次の連絡協議会会長を決める時がやって来ました。話し合いが続く中、川瀬さんは当時会長だった青木桜歩(さほ)さん(17・愛甲)に声を掛けられます。「いつも周りを見て後輩に目を配っているせっち(川瀬さんの愛称)なら、きっと良い会長になれる」。尊敬する先輩に背中を押され、会長になることを決めた川瀬さん。これまで以上に活動に打ち込むようになりました。
同学年で連絡協議会の副会長を務める福島優香(ゆか)さん(17・船子)は「せっちは人一倍責任感が強い。だからこそ、先輩のようにできない自分に悩み、無理をしているようだった」と当時の様子を話します。福島さんをはじめとする仲間たちは、「せっちらしくやればいいんだよ」「足りないところはみんなで補うから」と声を掛けました。仲間の言葉で先輩のようにではなく、自分らしい会長になればいいと思えるようになった川瀬さん。「ジュニアの活動で自信がついたこともそうだけど、一番良かったのは信頼できる仲間ができたこと」と、浮かべる笑顔はすっかり頼もしげです。

■未来へつないでいくために
ジュニアの活動は、高校2年で終わりを迎えます。「リーダーシップのある会長だったとは思えないけど、後輩のお手本になれるよう、自分なりに精いっぱい活動してきた」と川瀬さん。カウンセラーとして臨む最後の宿泊研修を前に、「自分たちについてきてくれた後輩への感謝と、この40年、先輩たちがつないできたジュニアの誇り、すばらしさを伝えたい」と意気込みます。「将来は中学校の先生になるのが夢。ジュニアでの経験を生かして、子どもたちの気持ちに寄り添える先生になれたら」ー。ジュニアの活動を通して、かけがえのない仲間と夢を見つけた川瀬さん。希望に満ちたその瞳は、明るい未来を見つめています。

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